抗老化医学のアプローチ

抗老化医学は、「なんとなく若返る」ものではありません。

老化の仕組みが見えてきた今、どこに、どう介入すればいいのかが、科学的に整理されつつあります。

ここでは、現在注目されている抗老化医学の代表的なアプローチをご紹介します。

老化細胞を減らす「セノリティクス」

アンチエイジング(抗老化)の中心的なテーマが、老化細胞(いわゆるゾンビ細胞)への対策です。

老化細胞は、本来なら役目を終えて消えるはずなのに、体内に残り続け、炎症や老化を広げてしまう細胞です。

この老化細胞をピンポイントで除去(死滅)させる成分・薬剤・技術の総称セノリティクスと呼びます。

セノリティクスの研究では、

  • 動脈硬化の改善
  • 免疫機能の回復
  • 筋力低下の抑制

などが世界中で報告されており、2020年代に入ってからは臨床試験が急増している、最重要研究分野のひとつです。

NMN・NAD+補充療法

もうひとつの大きな柱が、細胞のエネルギー源である「NAD+」を増やすアプローチです。

NAD+は、加齢とともに急激に減少します。
この不足が、

  • 疲れやすさ
  • 代謝の低下
  • 細胞修復力の低下
  • ミトコンドリア機能の衰え

と深く関係していることがわかってきました。

NMNなどを用いてNAD+を補うことで、細胞レベルのエネルギー環境を整える。

これは現在、世界中で研究が進む、代表的なアンチエイジング手法です。

幹細胞・再生医療

壊れた組織を修復し、過剰な炎症を抑える再生医療は、抗老化医学の中核ともいえる分野です。

これまでは、

  • 関節

といった領域が中心でしたが、現在では、

  • 血管
  • 免疫
  • 内臓機能

などへも応用が広がり始めています。

「細胞から整え直す」まさに、アンチエイジング医学の未来を象徴する最先端技術です。

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモンは、体のリズム、気力、筋力、代謝、感情にまで影響する重要な調整役です。

加齢とともにホルモンが低下すると、

  • 更年期症状
  • 睡眠の質の低下
  • メンタルの不調
  • 骨密度の低下
  • 代謝の落ち込み

といった変化が起こりやすくなります。

欧米では、健康的に年齢を重ねるための基本的な医療としてホルモン補充療法(HRT)が広く取り入れられています。

栄養・点滴療法

細胞が元気を取り戻すために欠かせないのが、適切な栄養補充です。

抗老化医学では、

  • ビタミン
  • ミネラル
  • 抗酸化成分
  • ミトコンドリアを支える成分

などを、点滴や補充療法によって効率よく体内へ届ける方法が用いられます。

これは、日常生活の土台を支えながら、細胞レベルで若さを下支えする治療と言えます。

抗老化医学は「組み合わせて考える医療」

抗老化医学に、ひとつの万能な治療法はありません。

老化の現れ方は人それぞれ。
だからこそ、

  • 老化細胞
  • エネルギー代謝
  • 再生力
  • ホルモン
  • 栄養状態

こうした要素を見極めながら、自分に合った組み合わせで整えていく医療が、抗老化医学です。

「年齢に逆らう」のではなく、
「年齢とともに、よりよく生きる」。

抗老化医学は、そのための現実的で、進化し続ける選択肢なのです。

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